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甘いのは君
【ジャスティンside】
決意も新たに会計を済ませ、双子が食べたがっているクレープを食べにフードコートへと移動してきた。
さすがに夕方近いとあって、学生が大半を占めている。
「創は座ってな、オレ行ってくるから」
「うん、ありがと」
にこりと微笑むソウ、嬉しそうなケイ。オレの隣にいるダイスケにも、いつかこんな顔をさせてやる。
「おら、行くぞ大介」
「え?あ、おう…」
さすがにソウ一人だけ残してこの場を離れるわけにはいかない。向かいに座ると、楽しそうにソウが言った。
「ダイちゃん、いい子でしょ?」
「ああ、聞いてた以上に」
ニコニコしながら、テーブルを乗り出してソウがオレの髪を撫でた。
遠くから視線を感じるけれど、こうされている事でなんだか心が落ち着いていくのがわかる。
「誰かが側にいてくれるって、いいよね」
「ああ、そうだな…」
ふと視線を巡らせると、想い人とそれが一瞬だけ重なり、すぐに逸らされたけれど。
一瞬だけでも、こんなに嬉しいなんて!
見つめ合えたなら、どんなに幸せな事だろう。
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