91 / 507

甘いのは君

【ジャスティンside】 決意も新たに会計を済ませ、双子が食べたがっているクレープを食べにフードコートへと移動してきた。 さすがに夕方近いとあって、学生が大半を占めている。 「創は座ってな、オレ行ってくるから」 「うん、ありがと」 にこりと微笑むソウ、嬉しそうなケイ。オレの隣にいるダイスケにも、いつかこんな顔をさせてやる。 「おら、行くぞ大介」 「え?あ、おう…」 さすがにソウ一人だけ残してこの場を離れるわけにはいかない。向かいに座ると、楽しそうにソウが言った。 「ダイちゃん、いい子でしょ?」 「ああ、聞いてた以上に」 ニコニコしながら、テーブルを乗り出してソウがオレの髪を撫でた。 遠くから視線を感じるけれど、こうされている事でなんだか心が落ち着いていくのがわかる。 「誰かが側にいてくれるって、いいよね」 「ああ、そうだな…」 ふと視線を巡らせると、想い人とそれが一瞬だけ重なり、すぐに逸らされたけれど。 一瞬だけでも、こんなに嬉しいなんて! 見つめ合えたなら、どんなに幸せな事だろう。

ともだちにシェアしよう!