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「ほんとに今日唐突だな」
「青春したい気分なんだよ」
「仕方がないからのってやる」
「ありがと」
よかった……声は震えていない。
大丈夫……気づかれてない。
「朱寧がいなくなっても忘れてやらない」
イタズラな笑みを浮かべて、柚葉がいう。
「俺が死んでも?」
きっとこの声は震えている。
「そんな早く死なないだろ朱寧は」
なぁ、柚葉。
俺、死ぬんだよ。
半年前に余命宣告されて、柚葉が好きだって気づいて、今まで一緒に過ごしてきて。
絶対生きてやるんだってどんなに思っていても、治す手段なんかなくて。
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