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第6話 キミヲコワシタイ【2】
なぜだか敵が居ない奴ってたまにいるよね。大した特徴も無い、だけど誰からも愛される存在…
褒める所を強いて挙げれば、綺麗な肌。滑らかな曲線を描く身体。
誰もが思う、いたいけなモノへの「自分が守りたい。護らなくてはいけない」と、ありがちな使命感。いつでもきみを大事に守るものが幾重にも存在する。
真っ白で穢れの無い姿をわざわざ傷付けたいとは思わない。
できる事なら俺も護ってあげる立場でいたかった…。
なのに今夜の俺、ときたら
コワシテシマイタイ
自分の中に眠っていたこんな凶暴な衝動に、いつのまにか支配されている。
でも、俺には解るんだ。本当は誰よりも強くて、誰よりも可能性を秘めている事を。
その殻を、もう捨ててもいいんじゃないか?
きみを壊してしまいたい。
懸命に張り巡らせた殻を打ち破って、自由になれば良い。
決めた。
躊躇いは微塵もない。
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