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 『夢のチョコバナナ🍌』(1)

「直くん宛で宅急便が届いたんだけど?」  今日は土曜日。昨夜から透さんのマンションの部屋にお泊りして、まだベッドの中でグダグダしていた俺は、透さんの言葉で一気に目が醒めた。 「え? ホント?! ちゃんとバレンタインに届いたんだ!」  ガバっと起き上がって、透さんが手に持っている包みに飛びついた俺。 「何注文したの?」  焦りながら、包装紙をビリビリと破いている俺に、透さんは不思議そうに訊いてくる。 「え? これ? ふっふっふ……何だと思う?」  なんたって今日はバレンタインだからね。  ネットでこれ見つけた時、迷うことなく指がポチッてしちゃったんだよね。  包装紙を剥ぎ取っても、箱の蓋に付いてるセロハンテープがピッタリと貼り付いているのが、なかなか取れないのがもどかしい。 「むぅ……取れない……」  早く開けたくてウズウズしてるのに、爪を切ったばかりだからか、これがなかなか取れないんだ。  そんな俺を見ていた透さんが、クスクスと笑いながら、「貸してごらん?」って、首を傾げて、俺の目の前に手を差し出してくる。  ああ、その決めポーズ、やばいんだって。  胸がドキってなって、それが速攻下半身に指令を出すみたいに、中心がピクっと反応するのを感じてしまったじゃん。 「直くん、何赤くなってんの?」  言いながら、俺がモタモタして剥がせなかったセロハンテープを、透さんの綺麗な指先がしなやかに動いて、いとも簡単に剥がしていく。  動作のひとつひとつが、もうなんかエロくて……いや、もとい……綺麗でエロい……って、言い直さなくても同じじゃん!  蓋が開けられて、中に詰め込まれているクッション材を取り出すと…… 「……直くん、何これ? バナナ?」 「うん♪」  そう、バナナ。いや、正確に言うとバナナの形をした容器。 「で? バナナの中身は何?」 「チョコだよ」 「へぇ? チョコ……なんだね? バナナ味の?」 「うーん、正確にはバナナにかけて食べるチョコ?」  そう応えた俺に、透さんは、さらに不思議そうに首を傾げてる。 「使ってみれば分かるって」  やっぱ、説明するより実践だよね?  俺は、バナナの形をした容器の蓋を開けて、中身を手のひらにキューっと絞り出す。  艶のあるチョコレート色のそれは、本物のチョコみたいで美味しそう。  思わず、手のひらのそれを舌で舐めてみると、味もちゃんとチョコレートだった。  ふと視線を感じて手のひらを舐めながら見上げると、透さんの漆黒の瞳が俺をじっと見つめてる。  その瞳の奥に揺らめく燻りを見つけて、透さんも俺の考えてることに気が付いたって分かる。  こういう時の透さんの眼差しときたらもう!……色っぽくて妖しくて、見つめられただけで、ゾクゾクする。 「で? それでこれ、どうするつもりなの?」  と、口角を上げて、分かっているくせに訊いてくる。 「これさ、食べてもいいラブローションなんだって。だから、透さんのに塗って俺が……」  と、言いかけたところで、透さんに肩を押されて、俺はベッドにストンと座らされた。 「……え?」  疑問の声を出してる間に、透さんの指がしなやかに動いて俺のパジャマと下着をずらされてしまう。 「じゃあ、俺が直くんのバナナにこれを塗って食べればいいんだね?」  ――え? ああ、うん、そう……って、違う違う!  俺が考えていたのは逆! 俺がこれを透さんに塗りたくって、俺が食べるつもりだったんだ。  って、考えてる間にも透さんは、俺のちょっと反応してる半身を取り出して、いきなり咥内に呑み込んでいく。 「ふあぁ!」  ちょっと刺激されただけで、俺の中心は透さんの咥内で膨れ上がってしまった。 「直くん、まだイっちゃ駄目だよ。お楽しみはこれからでしょう?」  そう言って、俺の手のひらから、さっきのチョコを指で掬って、それを俺のに塗っていく。  トロリとした感触が、裏スジから先端へ、それから根元まで包み込むように透さんの掌で塗りひろげられて、それだけで俺の半身はプルっと震えてまたデカくなった。

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