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**星に捕まった翡翠**(1)
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何重にも連なった塔のてっぺん。
そこはだだっ広い部屋の天井は吹き抜けになっていて、星空の瞬きがよく見える。
天蓋の付いたベッドの上で、これで何度目になるのか、レイは絹のようなきめ細やかな柔肌を開き、自分を組み敷く男に身を任せていた。
男の名はキース。象牙色の肌を持ち、けっして筋肉質ではないものの、ほどよく引き締まった身体は肉体美を誇っている。鋭利な顎と鋭い一重の目は凛々しく、美しい。
彼はこの国で唯一、神と通じることができる、『星読み』である。
人びとの声を聞き、声を神に伝えることを生業にしている。
そしてレイは、キースの声を神に届け、神の声を降ろす、いわば、『神の子』であった。
神の子が星読みの声や神に伝達するには、星読みに肉体から魂を共有する必要がある。
それはすなわち、星読みに抱かれることにある。そうしてレイは、神の声や星読みに、はじめて声を届けることができるのだった。
レイの、翡翠の目が自分を組み敷く彼を映せば、麦畑を思わせる、黄金色をした襟足までの極め細やかな髪に口づけを落とす。
これの理由は、もう知っている。自分を組み敷くことの同意を求める所作だ。
誠実な彼はそうやって、いつもレイの気持ちを尊重する。
だからレイは安心してキースに身を任せることができるのだ。
「んっ、あっ、あっ!」
色香を含んだ喘ぎ声を放ち、押し寄せてくる快楽に耐えきれず身体を揺すれば、ベッドのスプリングが軋みを上げる。
淫猥な水音が静かな空間に木霊する。
涙でしっとりと濡れた頬が上気し、赤く色づく。
ふっくらとした真紅の唇からは嬌声が放たれる。
柔肌の胸にある突起は赤く色づき、ツンと尖って強調していた。
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