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第2話

「涼様お逃げ下さい」 「でも、美咲が」 「私の事は構いません。  私は足がもう動かない  のです」 涼専属の使用人、美咲は 走っている際に足を(くじ)いて しまっていた。 「そこの2人、動くな!!」 サラーリの兵隊が()ぐ前に いた。 「兵士達、後ろに下がれ」 「はっ」 聞き覚えのある声が廊下に 響いた。 「レ、イ。何でここ、に」 涼は信じられなかった。 目の前にいたのは紛れもなく は仲が良かったレイだった。 「久しぶりだな。お前に会えて  嬉しいよ」 顔は笑っているが目が笑って いない。 (怖い、逃げたい) そう思っても逃げる場所は どこにもない。

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