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第95話

雷side こちらにつれてきた時点でわかっていたのだが… まさかここまで二人が激しく求められるとは想像もしていなかった 日に日に弱っていく二人の姿は見ていて痛々しかった そういう俺も他の神々と差して変わりはないのだが… 少しの気まぐれ。蒼と紅のもとへ向かった 俺の館の薬湯はほかのところよりも効能が高いため少しでも癒されればと思ったからだ 蒼と紅を抱き館へ連れていった 「おや?雷。どこに行ったのかと思えば…」 「ミカ。お前がここに来るのは久しいな。俺に抱かれたくなったか?」 「そうだな。単なる気まぐれだが…まぁ…今日は連れもいるみたいだし帰るよ」 「ちょっと待って。こいつらうちの薬湯にいれてやるだけだって。お前もわかってんだろ?いくら鬼でもあいつらはやり過ぎだ…さすがにボロボロだぞ。そもそも受け入れる用意はこいつらにはないんだから。南のものと違ってな。こいつらと桜緋帰してやれねぇの?」 「私も気になってはいたんだ…何故この子達に皆が執着するのか…」 「やはり異質だからだろ…これまでこんな二人はいなかった」 「どう帰してやるか…」 「お前が長なんだから何とかしてよ…」 「雷。お前はあやつらに体を差し出せるか?」 「は?」 「この子達の代わりになれるのはお前と翠玉だけだ」 それはそうだろう。俺は元は鬼だ…そして双子だった。生き別れになったのが翠玉。 ただ翠玉は俺と比べ妖力が低かったから俺たちの国から追われた 逆に俺は翠玉が持たなかった妖力を全て引き継いでいたため己で力が使えるようになってから天界へきた 翠玉が南の男娼としてやって来たときには心底驚いた 翠玉は俺と二人になったとき話しかけてきた 「こうも身分が違うのですね。お兄様。でも逢えて嬉しかった…」 俺たちが双子と言うことは今はもうミカしか知らない。 長く生きているシンでさえその事実は知らないのだ 「己と己の片割れを差し出す。それしかありません。南に良いのを持っているものがいれば違うのだけれど」 「ミカ様」 「…サコン…」 「すいません。話聞こえちゃって…おそらくミヤビ様が翠玉を差し出しませんよ」 「そうであろうな…」 「なぁ。サコン。南にいないのか?」 「…今育てている途中ですので…でも…皆様のお眼鏡に叶うのかどうか…」 「時間がいるのだな…」 「はい…しかし…見ていて辛いです…俺が何とかします…それまで二人を…どうか…壊さないで…」

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