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第12話
1ヶ月後
俺は…
さんさんと降り注ぐ 朝の陽を浴びながら
スッキリした気分で目を覚ました。
ああ…いい天気
こんな日は のんびりお花を眺めながら
日向ぼっこ…なんていいかも…
1日中 なんにも考えず
ボーッと…
ふふ、幸せだなぁ♪
☆☆☆
『ん~』
ころんと寝返りをうって
隣で眠る愛しい人…
瀬尾に ぎゅーっと抱きつく。
あぁ…幸せ~♪
寝てるのに抱きしめ返してくれた手に
甘えて もう1度 目を閉じる。
1ヶ月前も朝起きたら
こんな風に裸で抱きあってて…
お尻の違和感と使用済みのコンドームで
どうやらヤってしまったらしい事は
すぐに分かった。
ただ、なぜヤってしまったのかは
2人とも記憶があやふやで…
ほとんど?いや、全然 覚えていなかった。
きっと前の日にお酒を飲みすぎて
勢いでヤってしまったんだろう…と
結論づけたけれど…
不思議とイヤな気持ちはなかった。
むしろ 俺は
自分が望んでこうなったんじゃないか…
ってそう思った。
そして…
重い空気の中 朝ごはんを食べた後
ずっと深刻な顔で考え込んでいた瀬尾が
俺の目を真っ直ぐ見て口を開いた。
「十色…もし…嫌じゃなかったら…
俺とつきあわない?
俺…これが最初で最後になんのはイヤだ…」
『───///』
思ってもなかった瀬尾からの告白。
嬉しい…って真っ先に思った。
でも、驚きのあまり固まってしまった俺を見て瀬尾は…ションボリ肩を落とした。
『ダメ?もう嫌いになった…?』
『……っ!嫌いなんて そんな…///!
俺も瀬尾が好き…!大好き!』
慌ててそう言うと瀬尾は嬉しそうに笑って
ふと首を傾げた。
『あれ?…なんかそれ…
昨日も聞いたような…?』
『え?…そういえば
俺も…言ったような…?』
『…ぷは』
『…あは』
キョトンとした顔で目があって
思わず笑いが溢れた。
記憶は曖昧だったけど
お酒の勢いもあったんだろうけど
お互いを想う気持ちはおんなじで…
俺たちはつきあう事になった。
“よかったね♪おめでとう”
まどろむ俺の耳元で…誰かがそっと囁いた。
『……ん…?』
なんだ?今の声……
この部屋には
俺と瀬尾しかいないはず…なのに
でも…不思議と怖いとは思わなくて
なんていうか
温かくて…懐かしくて
変な感じ…
“じゃあね、お幸せに~♪”
あ…また…
……誰?
眠い目をこじ開けて声のした方を見ると
キラキラ虹色に光る、羽の生えた小さな人のような何かが空中を舞いながらゆっくり遠ざかっていくのが見えた…
………気がした。
なんだ、あれ…
妖精?
なんて…
まさか、ね。
[妖精になんかなりたくない]☆ おわり ☆
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