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「ね、これなら俺だって分かんないでしょ?」 「……ファンなら気付くと思うけど。せめてそのオーラを……」 キラキライケメンオーラをなんとかしてくれ。俺はいつもこれに当てられて、誘われると簡単に足開いちゃうんだけどさ。 「んなこと言われてもどうしたらいいかわかんねーし、気にしなきゃいいんじゃないの?」 「俺はいいけど、アンタはちょっと気にしてください。仕事減るよ?」 「いーよ別に、そしたらあおいと居られる時間増えるじゃん」 「……」 どこまで本気で言ってるんだろうか。いや、全部本気じゃない可能性だってあるよな。でも世間にバレたらヤバいのは事実だし…… わかんねぇ。 「千歳くんたちー早くー!」 「あ、ごめんRION!……行こ、あおい」 手は振り払われるからか、今度は腰を抱いてきた。一瞬ドキッとしたけど、するりとその手から逃れた。ある意味手を繋ぐよりキワドいだろ!…! 「シンジ、俺の言ったこと聞いてた?」 「いいじゃん、今日くらい」 今日だけじゃねーじゃん、アンタ。まあいつもは夜だから、俺も逃げないけどさ。 「早く乗らないと全部回りきれないよー!」 「RION、全部乗るつもりでいるの?アクティブだなー」 理音くんは、今日わんことラブラブするためか知らないけど、ちゃんと変装してる。それも、女の子みたいに。背は高いけど身体のラインを隠してるから、パッと見じゃ絶対に男だとは分かんない。 ホントにモデルって凄いなー……。理音くんは、なんでわんこなんかが好きなのかな?

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