「貴史様、雅史様の身辺調査の結果です」 「ありがとう。もう下がっていいぞ」 秘書が部屋から出た後、封筒の中身を 確認した。結果は・・ 「やはり恋人がいたか、しかも男。 だから見合いの話も断ったんだな」 父が亡くなった後、この病院の院長は 雅史の兄である貴史が継いだ。 しかし跡継ぎに恵まれなかった為 弟の雅史に託そうと考えていたのだ。 「翼君には申し訳ないが、別れてもらう しかないな」 外にいる二人の様子を静かに部屋から 見ていた。