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第2話
バイトが終わり家に帰ろうと夜道を歩く
バイトのときは少し長い髪を結っていたのをほどき
ショーウィンドウに写った自分を見る
本当にダサいと思う
美容院に行くお金も勿体ない
それに女っぽいと言われた顔を晒せる勇気は
飛鳥にはない
以前クラスメートに女顔と言われたのを
今でも根に持っている
だから眼鏡を掛けてなるべく目立たないようにしているのだ
醜い自分に目を瞑るようにショーウィンドウから
目を反らしさっさと帰宅の途に着く
そして飛鳥の家であるボロいアパートへ
帰ると玄関には見知らぬ男が立っていた
「え、誰……」
見た目は派手でサングラスをかけている
関わってはロクなことがなさそうな
その見た目に飛鳥は警戒する
なるべく関わらないようにと考えるも
男が立っているところは飛鳥の家の前
そして飛鳥は勇気を振り絞って声をかけた
「あ、あの……」
「ん?」
「う、家に何か……」
すると男はがしっと飛鳥の肩を掴んだ
「ひぃっ……」
飛鳥は思わず情けない声を漏らす
しかし男は思わぬ言葉を口にする
「飛鳥?」
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