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※【番外編】やくそく

好きなことと言うが、いつも好き勝手させているとは思うのだが我慢してるのか。 視線をあげると綺麗な顔で嬉しそうな微笑みを向けられて、どうでもいいかという気分にさせられる。 仕事終わりの身体は疲れきってしまっていて、縄の食い込みが与える怠さもあいまって、背中から抱き寄せる康史に身体を預ける。 「今日はいいけど、後で俺もオマエに触りたい」 縛られて不満な点は自由に相手に触れないことだ。 何の傷もない綺麗な康史の身体に触れたい気持ちは多分にある。 「うん。いいよ、後でね」 ふわりと笑いを浮かべて、獲物を捕らえたかのような眼差しを向けると俺の肩口にガリッと歯を立てる。 「.....っ、痛ェ」 犬歯が刺さり皮膚が破れる感覚があるが、さほどは痛くない。 背後から回された手が、腹筋をたどりゆるりと下肢へと伸びて、長い綺麗な指先が少し生えかけの毛をざりざりいわせて丘へとたどり着く。 「そんなに痛くないでしょ」 「.....食っても旨くねえぞ」 肌をちゅうちゅうと吸いあげて、微かな笑いを含む声音で告げられると、ぞくりて背中から痺れが襲う。 なんだか血も止められてしまったかのような圧迫に、心臓がばくばくと早鐘を打っている。 「酔ってきた顔.....してる。可愛い」 身体中が熱くて堪らなくなってきて、周りの景色が歪んで瞼も重くなってくる。 呼吸が上手くできないのに、口を開くのも億劫になる。 浅い箇所ばかりを縄で結んだこぶでのみ擦りながら、康史は俺の様子を探るように顔を覗きこむ。 前にもそうだったが、頭まで血が通わない感覚があり太腿の奥を探られたくて仕方がなくなる。 「っ、く、.....ヤス.....、そんな、んじゃ、たんねえ」 コブがぬぷぬぷ入口だけを刺激するだけの動きに耐え切れなくて、思わず口走る。 そろそろ、理性とやらとおさらばしちまいそうな感覚である。 煽る様な表情を浮かべて、嬉しそうに顔を眺める康史には俺の状況が分かっているのだろう。 「ね、どうして欲しいの?トール」 いつだって俺から求めさせようとするのは、康史の常套手段だ。 「.....ヤス.....っ、おく、までほしい」 康史がどんな言葉を欲しがっているのかは、充分に分かっていたが理性が残っている間はなんとなく簡単に口にはできない。 「おく?」 縄を掴んでぬくぬくと動かすのは止めずに、意地悪く聞いてくる表情は、どこかうっとりとしていて赤らみ可愛らしい。 「トール、やらしい言葉で言ってよ。どうされたいか、全部叶えてあげるから」 今日は、こっちも満足させてあげるからねと囁いて指先で俺のちんこの先を摘んで軽く擦りあげる。 「ッ、って、ヤス.......ッ」 大体そっちは蓋をされてしまうことが多いので、康史の言葉に俺は目を開いた。 「言わないと、何にもしないけどね」

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