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セカンドプロポーズ→sideT
気がつくと、いつの間にか俺はベッドの上だった。が、身体がギシギシミシミシ痛ェし、身体が打ち身のようなズキズキ感がある。
重たい瞼を開くと、腕を中に康史の身体がすっぽりと収まっている。
ああ、康史のヤツ、ベッドまで俺の身体を引きずって来たのか。
身体中がカラッカラに中まで乾いているような感覚。
ふうっと深く深呼吸をして、胸元に寄せられた美しく整った顔を見下ろす。
このDNAを残さないのは、マジで勿体無くて仕方がない。
それは、本当に.....勿体無い。
いつか、康史が子供が欲しいのだと言ったら、俺を捨てても、それでも仕方が無いと思えるくらい。
浮気とかされても、それでこの遺伝子残せるならその方がいいなとか思える。
捨てられるのは怖いとは思うけど、だからといって康史を縛りつけようとは思わない。
そんなことをぐるぐるとずっと考えたら、さっきは涙が止まらなくなった。
「起きたの、トール」
突然声をかけられ、思わず反射的にビクリと体を震わせてしまう。
康史は俺を見上げて、腕の中でごろごろと頭を動かしながら俺をじっと見上げて、
「泣きそうな、ツラしてる」
「ンなこた…………ねーよ」
背中に腕を回されて、思わず強がって顔を背ける。
「思い出したこと少ないけどさ、いつだって、俺はトールといれたら幸せだから、この1年はきっとすげー幸せだったんだろうなって思う」
明後日の方向を向いた俺に、構わず康史は言葉を口にする。
「俺だって、幸せだぜ。だから無理に思い出そうとしねーでいい」
思わず唇を尖らせてつぶやくと、ふっと笑い康史は俺の顔に手を伸ばす。
「俺もトールの全部の記憶を俺で書き潰したい。……トールの人生、全部ほしいんだよ」
頬にチュッと唇を押し当てられ、俺はその顔を掴んでぐっとその唇を貪るように吸いあげる。
ああ、それなら。
俺の人生はもう、ぜんぶ康史のモノだけど。
.....でも、康史が忘れてしまってるなら。
だったら、もう一度。
もう一度告げよう。
「ヤス、オマエ、俺と結婚しろ」
俺にとっては2度目のプロポーズだけど、康史にとっては初めてになるはずのプロポーズ。
あっけにとられた表情。
あの時とはちがう、俺をじっと目を見開いて見つめる表情。
康史は目を見開いて、ぽろぽろと涙を零す。
「はい、で、yesだよ。トール」
あの時と同じ言葉を、康史は俺に返した。
そう、はじめて、康史に告げた時と、まるっきり同じ言葉を。
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