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冬休み→sideT
「こんなことも分からないの?3年間何してたんだよ」
容赦なく罵倒されながら、俺は全くわからない問題に取り組んでいる。どうせ、先は就職なんだしテストとかいらねーだろうと思うのだが。
「主に喧嘩かな……」
「素直に答えるなよ。そんなことより……問題の答えをさがせ」
西覇の教え方は確かにうまいのだが、かなり容赦ないのが玉に瑕だよな。
と、言うわけで、康史の家から里帰りして4日目だ。
ベッドは捨てられてしまったので、おふくろに布団を用意してもらった。
かなり、欲求不満もたまっているし。
4日間勉強詰めだし。
「なあ、アニキ。そーいう、エッチしたいみたいなえろい顔してないでよ。顔に出過ぎ」
図星をつかれて、思わず焦ってしまう。
西覇は、ふうとため息を漏らすと、
「まあ、集中力ないならやっても無駄だし、正月はヤッちゃんとこに帰れよ」
もーいくつ寝るとお正月だしな。
そりゃ、帰りたいけどなあ。
「マジか。そんな顔にでてるか」
「そんなに、ヤッちゃんとがいいのか」
西覇ひ、ため息を吐き出して俺を見やる。
「フェロモン出しすぎ、エロすぎ」
「え、えええ!!」
俺は西覇の言い草に思わず驚く。
「とりあえず、兄貴の好きな記憶問題だけでも、公式を丸暗記してね。」
「記憶は大丈夫だが、それをどこで使うかがわかんねえよな」
数学の問題は公式の使いばしょがわからんのだ。
「ちっとは、考えろよ……公式なんだから、はめこむ法則があるっての」
その時、ちょうどはかったように、康史からメールが入った。
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