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12月19日(火)〈啓輔〉

朝8:00。 今日も彼が店にやってきてオーダーの列に並ぶ。 彼がカウンターの前に来るまでの時間がとてつもなく長く感じたが、ようやく彼が俺の目の前に来た。 「えっ、と…覚えてないと思うんですけど…き、昨日のメッセージありがとうございました。」 まさかお礼を言われるとは思わなくて少し面を食らった。目に見えて緊張している彼の姿を見ると、もしかしてもしかしなくても彼も俺のことを少しは気にしてくれているのだろうか、と思わず期待してしまう。 とりあえず、動揺を表には出さないようにしながら覚えてるよ、と彼に答えた。すると、彼がほっとしたような笑顔を見せるので此方も釣られて笑顔になる。 くそ、可愛いな。 「あっ、ココア1つお願いします。」 そうだった、すっかり有頂天で忘れていたが今は勤務真っ最中だった。 既に彼が来た時点で用意していたのか、すぐに小野が俺にココアの入ったカップを渡して来た。 今日こそはもう少し彼が意識してくれるような事を書かなければ、と意気込む。 "いつも見てます"とか? いやダメだそれはなんかストーカーみたいで気持ち悪い。 "実はずっと気になってました"は? いやそれはなんかいきなり重い、重すぎる。 さりげなくずっと気にしていることをアピールしつつストーカーチックにならないメッセージといえば、と思い"やっぱり寒い日にはココアだよね"と書き込んで彼に渡した。 受け取った彼はありがとうございます、といつもより大きめの笑顔でお礼を告げ店を後にした。笑顔可愛すぎんだろ、と頭をカウンターに打ち付けたくなる思いを抑えながら仕事を続けた。

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