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父さん、アルバムを見よう
リハビリ小話
「ん…」
目を覚ますと、朔が本を読んでいた。今何時?と時計を見れば、深夜2時半だった。お化け出そうな時間だな、とか、こんな時間に?とか色々浮かんでは消える。
とりあえず声をかけようとして体を起こすと、朔がこっちを向いた。
「「あ」」
2人の声が重なる。ふふ、と笑えば朔も笑った。
「目、覚めちゃったか?」
「うん」
ギシギシなる体をどうにかして起こす。3時間前まで体を繋げていたせいで、おれの体は正直ボロボロだった。でも、それでいいかな、なんて最近は思う。だって…そうやって体が痛くなったりするのも愛の証だから。そんなふうに思うなんて恥ずかしいけど、恥ずかしいけど!でも嬉しい。
「朔はなんの本読んでたの?」
「ん?反抗期の息子の直し方」
「は?」
ムッとして眉根を引き上げると、朔は嘘だよ、と言って本を持っておれの隣に座ってきた。
本だと思ってたそれは、アルバムだった。
なんでアルバムなの、と聞く前に朔が答える。
「さっき寝ぼけてて本棚に激突してな。そしたらこれが1冊落ちてきたんだ」
ぱら、と朔がアルバムを見せてくれる。そこには小さい頃のおれが写真に映し出されていた。小さいおれはびっくりするほど笑顔で、ピースしていた。
なんか、気恥しいな、これ。
一人で照れていると、朔が愛おしそうにその写真を撫でた。
「……。かわいいな」
「そう?おれはなんか、恥ずかしい」
「俺にとっては可愛くて仕方ないよ」
朔は、そう言って優しく微笑んでくれる。それからちょっと意地悪そうな顔になって、じっとおれを見てきた。な、なんだよ?
「譲は昔と違って意地っ張りになったな?」
「わ、悪かったな!意地っ張りで!」
「でも、こうやって…」
朔が片手で俺の背中を撫でる。ひゃんっと思わず声を出せば、朔は続けざまに
「えっちしてるときは、素直になるけどな?」
と言う。
「こ、この、変態オヤジ!!」
「誰がオヤジだ」
今度は朔がムッとした顔をする。オヤジ、とか、父親、とか、父さん、という単語に朔は敏感だ。その分恋人、彼氏、という単語を使うと満足そうな顔をする。そういうとこ……好き。
「じゃあ変態な恋人」
「じゃあもっと変態的なことするか?」
「えっ」
朔が、おれにのしかかってくる。え、まだするの?今日元気すぎない?と思っていると、それが表情に出ていたのか朔はもちろんだ、と言った。
「俺にとって、譲はいくつになっても可愛い恋人だ」
「ぅ、はずかしい…でも、おれも、朔がいくつになっても好きだよ」
「俺もだ。好きだよ譲」
そう言い合って、おれたちはキスをした。
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