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第126話
あまりの寒さゆっくり起きて雑用を済ます。
書店に行くついでに外で昼飯を済まそうとコートを羽織りながら曇った窓の外を伺うと、外は静かに雪が降っていた。
深々と降り積もる雪が外を真っ白に染めている。
鼻までマフラーで隠し、玄関の戸を開けて驚いた。
「あ、おはようございます…」
外廊下に三条が小さく座り込んでいた。
「お前っ!
何時から…!」
いくら屋根があって雪が当たらないと言っても外はかなり冷える。
鼻の頭も真っ赤にした冷たい身体を無理矢理室内に引っ張り込んだ。
「手ガチガチじゃねぇか。
風邪ひいたらどうすんだっ」
赤く氷の様に冷たくなった手につい口調が荒くなる。
「すみません…。
本…返そうと、思って…」
「そんなのポストにでも突っ込んどけば良いだろ…。
インターホン押すとか連絡するとか…学校だって…。」
コートもリュックも、髪も、何もかも冷たい。
自分のコートを三条にかけ洗面台からお湯を出す。
いきなりじゃ痒くなるかと水を混ぜ温いくらいにしてあたためさせた。
とにかくあたためないと。
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