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第822話
「テストお疲れ様でした。
終わって早々だけど、体育祭練習がはじまるから土日はゆっくり休んで体調整えておいてください。
後は特にないから終わりにするか。」
担任の声に、やったーと喜ぶ声に三条もだらりと頬を緩める。
テスト最終日の楽しみは、気心の知れた友人とのお昼ご飯。
定番のモフ。
「じゃ、気を付けて帰ってください。」
「先生、ばいばーい。」
「ご飯食べて帰ろう。」
三条もいそいそと鞄の中にファイルと筆記用具を仕舞うと、友人と廊下に出る。
暑い。
暑いけれど、爽快だ。
テストと言う足枷がなくなった今、これ程までに自由だと暑ささえも夏らしくて良いと思えてしまう。
「三条、モフ行こうぜ。
腹減った。」
「行く。」
鞄を重くしていた教科書や資料集をロッカーに仕舞い直し、軽くなった鞄を手に玄関へと足を向けると、後ろから担任が追い越し様に声を掛けてきた。
「3人共気を付けてな。」
「うぃっす。」
「先生は採点がんばれ。」
仮面を付けたまま口角を上げた担任はそのままスタスタと準備室へと消えていった。
掻き混ぜられた空気に微かに恋人のにおいがする。
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