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第1話

運命なんてないに等しいと思っていた。 幸せになんてなれないなんてずっと思っていた。夢なんて一つもなくて生きるのなんてただ難しくて、ただ満たされる事が何もなかった。 幸せでも、不幸でもなくて普通でもなくてじゃあ何なのかと聞かれても答えられなくてそんな人生にすら答えは見つからなくて、生きる術も見つからない。 そんな人生は、楽しくもなくてただ絶望で心が溢れるだけで。 そんな俺に手を差しのべてくれるひとがいるのなら助けて欲しいと願うだけだ。 でもただ俺は一緒に死んでくれる人を探したいだけなのかもしれない。 そんな時であったのは、透き通るような瞳をしていて、今にでも消えてしまいそうな姿をしていたきみだった。でも結局出会ったのは良かったのかな。 俺は、よく町をブラブラしていた。 なぜだか、町をみると自分の存在がちっぽけに見えて心が晴れるから。

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