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エントリーNo.12 一人きりのクリスマス
「メリークリスマス」
その声は部屋を虚しく反響した。それもそうか、自嘲気味に呟くと、僕は買ってきたケーキを取り出した。
君はこれが好きだったっけ。去年を思い出して涙が出そうになる。
クリームを鼻につけた僕を変な顔、と笑っていた君は、今も笑っているだろうか。空の上で、いつものように。
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<作家名>
如月自由
<主な作品>
「ご主人様と呼ばせてくれ」
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