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第1話ここがすべてのハジマリ
「もっと声だして。お兄ちゃん。」
「やっ、やめろって。こんなことしてもお前の気持ちは晴れないだろ?」
「いいんだ。別に体だけの関係だけでもほしいだけだから。」
そう、俺たちは兄弟だが、そういう関係で、いつからか俺と、弟はセフレのような関係で、やめなくちゃいけないって思っていても結局は快楽に流されてしまってズルズル関係が延びてしまった。
弟との最初の行為は俺が彼女を連れてきたときだった。
彼女を連れていったということは当然シたいという気持ちがあって彼女が嫌だったらやめようという感じだった。
「柊君今日家行ってもいい?付き合ってから結構たつから、私シたいんだよね。」
「いいよ。誰もいないし。」
そう、その日は、両親がたまたま旅行でいなくて、弟も出掛けると言っていたからいないと思っていた。
「ここが俺の家入っていいよ。」
「おじゃましますー。」
「お兄ちゃんおかえりなさい。この人は誰?」
「ごめんね。突然。私柊君の彼女の最上真理っていいます。よろしくね。」
「よろしくお願いします。最上さん。」
「優出掛けるのか?」
「うん。ちょっと、友達の家行ってこようかって。」
「分かった。気を付けろよ。」
思えば、彼女を紹介しなければこんなことになることもなかったはずだった。
彼女が悪いわけではないけれど。
「お兄ちゃんただいま。あれ?最上さん帰ったの?」
「うん。今日は家に来たいって言っていたから来ただけだから。」
「へぇー。最上さんとシたのかと思った。」
「するわけないだろ?」
「それもそうだね。」
夜寝ているとき優が来た。
「お兄ちゃん。起きてる?」
「どうしたんだ?優。」
その時に気づくべきだったんだ。優がおかしかったことに。
「僕お兄ちゃんの事が好きなんだ。だけどお兄ちゃんはノーマルだって分かってる。さっきも彼女さん連れてきたし、絶対僕のモノにならないでしょ?だから無理矢理でもお兄ちゃんが欲しい。お兄ちゃんがいないと僕は生きてられない。ねぇ?お兄ちゃん」
部屋の床に押し倒されたことに気づいたのは、それから五秒後だった。
「抱いてもいいよね?僕ナシじゃ要られないようにしてあげる。」
「やめろっ。どこ舐めてんだよ。」
「えっ、乳首だよ。やっぱりお兄ちゃんのは綺麗で可愛い。」
そう言っている優は、普通の笑顔のはずなのに狂気に満ちたような顔に見えた。
「なぁ、お前はなにをしたいんだ?」
「ただ、僕はお兄ちゃんを自分のモノにしたいだけ。」
「なぁ、いつから変わってしまったんだあの頃の優にもどってくれないか?」
「戻るのも何も僕はずっとお兄ちゃんへの思いを隠していたんだ。別にお兄ちゃんに彼女が出来たからこうなったわけじゃない。」
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