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第2話シャーペン×シャー芯
シャーペン(吉原沙理 よしはらしゃり)×シャー芯(梶原亜夢かじはらあむ)
俺には最近できた恋人がいる。それはいつも一緒にいて、無くなったら補充するような関係だった。人間が俺のノックを押せばあいつは出てきて恥ずかしそうにこっちを見る。
そんな可愛い所を好きになったが、もうひとつきっかけがある。
俺は沙理という名前のせいで、昔から女の子みたいと、からかわれていた。そんな時助けてくれたのが亜夢だった。
亜夢はプラスチックの筒というのかそこに入っていたんだ。最近人間は俺を使ってくれない。
でもその分亜夢とイチャイチャできるからそれはそれでいいんだけど。
「沙理さん?どうしたんですか?」
「いいや。少し考え事をしていただけだよ。」
「嘘。僕のことじゃない人のこと考えてたんでしょ?」
「いいや違うよ。出会った頃を思い出しただけ。」
「ならいいんだけど。僕沙理さんに嫌われたら悲しいから。」
「あのさ、亜夢。俺のこと沙理って呼んでくれないか?」
「沙理…やぁもう恥ずかしい。」
「本当に可愛いな。」
「耳元で囁かないでください。ふぁっ」
「こんなにもいつも側にいるのに君はノックを押されたときしか出てこないんだから。」
「それは、決まってることだからしょうがないでしょ。」
「でも、俺と亜夢が恋人になれたことは、決まっていなかったよな。だから決して決まったことじゃないと思うよ。」
「確かにそうかも。沙理…」
「そんな儚い声で喋って。煽ってんの?」
「煽ってなんかない。ただ好きだなって。」
「俺も好きだよ。亜夢のこと。出会えて良かったと思ってる。」
「ありがとう。沙理。好きだよ。」
「食べちゃうぞ?」チュッ
「食べて欲しい。だって、最近シてないじゃん?」
「ごめんごめん。最近忙しくて。だから今日は覚悟しろよ?」
「うんっ…」
その後は、二人でイチャイチャしながら過ごし、次の日に沙理は、亜夢に「腰痛いんだけど」と怒られたのでした。
END
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