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13.『落ちる』

9番の球がポケットに落ちる。 「約束通りブッカーズを貰うよ」 マスターは俺を見ないままグラスを突き出す。 「あんたの口から、ストレートで。嫌ならいいよ、帰る」 「待って」 悲鳴のような声を上げ、マスターは琥珀色の液体を口に含んだ。 「おりこうさんだ」 俺は彼の頭を抱き、台の上へ倒れた。

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