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朝陽 32

触れた舌先から広がる甘い痺れが、硬く強く収束して恵果さんを求める。絡め取られた舌はもう言葉を紡ぐ事無く、二人の浅く早い息が部屋の温度を上げてゆく。 (は…、ん、ふっ……) 乱れた髪に指を絡めると首に懸る腕に強く引き寄せられる。 ああ、あなたの望みがこれならばどんなに嬉しいだろう。

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