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朝陽 41

逃げない、とはいえさっきもそうだったではないか。あの男に悦ばされていた場面が目の前をよぎった。 「さっきの方は、あなたに何をしましたか?」 子どもっぽい嫉妬をむき出しにした僕の言葉に恵果さんが目を泳がせた。 唇…顎、…喉仏を通って胸…、そこにある既に硬く尖った乳首、臍、脇腹から脚の付け根にかけてゆっくりとキスをしながら肌に残る痕を確認してゆく。 「…ここに、あぁ、ここにもある」 薄い肌に残る赤い痕に刺激された独占欲はもう隠し切れなかった。 「…全部僕が書き換えるから、あの男の触れた箇所、全て言って下さい」

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