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第1話

【物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ】 まずは湯を、思い立ったら忘れずに。蓋を開け袋を出せばそこには麺が敷き詰められていた。加薬をかければ後は熱湯だけであった。 待つ一時は長いようで短い。湯を捨てソースをかけ混ぜる。腹が満ちるはこれからか。 【夕や黄昏という文字を使わずに夕方が来たのを文学的に表現してみてください】 見上げた空には茜が迫っていた。 寂しさを募らせるようなそれは、まるで一時の別れを告げる色だった。 【夜という文字を使わずに夜が来たを文学的に表現してみろ】 微睡からの戻りはハッとする位に静閑な居室だった。 目が覚めた世界は先刻よりも影になり、恐ろしい程の時間が流れたことを思い知る。 【風という文字を使わずに風が吹くを文学的に表現してみろ】 「行くな」と言わんばかりの強い力だった。 それは服を粗雑に揺らし、帽子を荒々しく剥ごうとする。そして執拗に手足に纏わり付くのだ、まるで俺をここに留めておきたいかのように。 それでも俺は先へ行く。向かいの災難を払い除け進む。 【雪という文字を使わずにを雪が降るを文学的に表現してみろ】 こんこん、こんこん。夢に音。 景色は別世界だった。埋め尽くされた庭と空は異次元のように白と灰に塗られていた。 生まれてはじめて触れるそれは己の熱を奪う。また、感覚と異変によって現だと思い知る。 気づけば天より夢の音が降る。 【貴方は創作で『こっち見てよ』をお題にして140文字SSを書いてください。】 shindanmaker.com/375517 何年たっても変わらない。想いはいつまでも内で渦巻いており。 ちょっかい出しても笑われて終わり。欲しいのは視線と笑顔だけじゃない。 あといくつ賛辞と好意を浴びせれば。全く持って気が遠くなりそうだ。 一体いつになればこちらに振り向いてくれるのだろう。 今日もまた肩を叩いて振り向かせてる。

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