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第7話 クエクエクエ〜

ご当地美味いものBL 近代マグロ、クエ、カンパチ、お造り 大阪 堺 今回左の肘に痛みと故障を抱えながらも美味いもの食べに居酒屋に行くことはやめなかったw 正解、クエが食べられました! 大きなクエは和歌山沖で捕れると聞きました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 縄の暖簾をくぐり店に入ると、 「 いらっしゃい! お二人さん、カウンター奥どうぞ〜」 という言葉に迎えられ品書きが沢山吊るされたカウンターの席につく。 「 お兄さんどうする?」 とおしぼりを運んできた女将さんが尋ねると、 「 うーん、ビールと何かお造り……彼さ、関東からきてるから何か美味いもん 」 「 今日はクエがあるわ、それと近代マグロと、白身は、じゃ、おすすめ見繕って 」 と女将さんが返すやりとりが心地よい。 近代マグロとクエとカンパチ のお造りがカウンターに並ぶ。 「 お造り、美味いさかい、食べて 」 え?聞いたことのなかった大阪弁 どきっとした僕に、 「 俺さ中学までここだったから 」 と、弁解的な自慢。 知り合って2年になるのに、なんか知らなかったことを知らされて悔し紛れに、 「 大阪の人って、言葉直さないよね 。だから、そうだと思わなかった」 って僕の失言に 「 直すって言わないで 」 と笑いながら応える 失敗した……とちょっと俯いたぼくの髪の毛をくしゃくしゃっとかき混ぜると、 「 とにかく箸つけて、クエの刺身なんて関東じゃ珍しいだろ?」 箸でワサビを取りクエの身にのせる、醤油を少し付けて口の中に運ぶと ほんのりした甘さとプリプリとした食感、舌触りも上品に滑らかで本当に美味しい。 美味いだろ! と目配せする横の人に満面の笑顔で返すと、 「 参ったな 」 と普段はすこし眉尻が下がっている眉を真ん中に寄せて困ったようにつぶやいている。 出張した大阪の港のある町の片隅にある居酒屋で、ここは俺のおすすめ、連れてくからと言われた途端ドキドキはリアルタイム。 「 あとでクエ鍋どう? 」 と言った女将さんに椅子から立ち上がって、 「 ありがとうございます!」 と言った僕の背を大好きな人が優しく叩いた。 「 満足した?」 店を出て酔って火照った身体にコートを腕に通さず肩にかけた姿の背筋が飲んだ後なのにスッと伸びていて惚れ惚れとする。 真っ暗なホテルまでの道を並んで歩くと今までは怖くてつらくて我慢していた気持ちが溶けて薄くなってくるような気がした。 思い切って言ってみようか、微かに海の香りがするこの街なら素直になれるかも。 そんな僕の気持ちを知ってが知らずか、 「 もう一軒ハーバーのそばに係留されたヨットを眺めながらいっぱい飲めるバーがあるんだ、行くか?」 と誘いながらタクシーを止める愛しい先輩の背中をしっかりと追った。

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