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戯の章6

――ここは、どこだろう。 気づけば、織はどこかの神社にいた。 真っ赤な鳥居、新しい本殿。 まだ出来て間もない神社なのだろうか。 賽銭を投げ入れ、鈴をがらがらと鳴らす参拝客が列をなしている。 皆、神様へ想いを馳せている、そんな顔をしている。 「――おまえは何を祈る」 「……!」 不意に声が聞こえて、織ははっと目を見開いた。 いつの間にか参拝客の列は消えていて、そして自分が鈴の前に立っている。 見上げればそこにいるのは――大きな龍。 白く美しい毛並みの、あまりにも神々しい龍がそこにいた。 「おまえは、何を祈る」 「……もっとみんなと、仲良くなりたい」 「そうか、では叶えてやろう」 自然と口から出てきた言葉は誰のものだろう。 自分で言っていて、わけがわからない。 織の願いを聞き入れた龍はぐるりと空を周り、そしてさらに天高くへと昇っていく。 そして――姿を、消す。 「待って――待って、鈴懸……!」

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