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第18話
「ぅん…もう朝、?」
目が覚めるとベッドの中だった。
隣の温もりは、既に無くなっていた。
なんとなく起きたくなくなり、そのままもう1度布団を頭まで被って目を閉じた。
「たたいまー。」
蒼斗の声がして布団から顔を出すと、外はもう暗くなっていた。
「おかえりなさい。」
そう声をかけると、蒼斗が近くまで来て頭を撫でてくれた。
それが心地よくて、しばらくそのままにしていると少し怒ったような口調で尋ねられた。
「お前、ご飯も食べていないのか?」
確かに、蒼斗が出かけてから布団から出ていなかった為用意されていた事も知らなかったのだ。
「ごめんなさい。」
しゅんとして謝ると、腕を掴み抱き起こされる。
「蒼斗…?」
急な事にバランスを崩しそうになっていると
そのままキツく抱き締められた。
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