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第18話 溺愛症候群

さあ、お口を開けて。 君の好きな白桃を裏漉ししてみたんだ。 匙の上の淡い桃色のペーストは、咀嚼されることもなく、ただゆっくり嚥下されていく。 上下する喉仏は、力なく横たわる君が、まだこの世に辛うじて繋がれている証。 口の端に垂れた果汁だけが生々しく官能的で、僕はそうっと舌で絡め取った。 ----------------------------------- #140字SSお題メーカー腐 #SS名刺メーカー

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