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殴りたくて

2人で少し話をしていると俺は違う先輩に捕まりビールを飲まされていた。 気づくと光輝さんが居なくなっていて先輩を違う同僚に任せると俺は光輝さんを探した。 トイレにもいない。 光輝さんどこ行ったんですか? まだお開きではないのに笹山部長が店から出ようとしているのが見えた。 何故か胸騒ぎがして俺は笹山部長の後を追ったが店を出ると笹山部長の姿が見えなくなってしまった。 見失った。 俺は諦めて店に戻ろうとした時に横の細い路地から人の声が聞こえてくる。 声が聞こえてくる方へ歩み寄ると目を疑うような光景。 理性が吹っ飛ぶ寸前だったが笹山部長を殴って会社を辞めさせられては光輝さんの側に居れなくなる。 とにかく光輝さんを助けるのが先だ。 光輝さんは笹山部長にヤラシイ事をされかけていたのだ。 「笹山(ささやま)部長、こんな所で何してるんですか?あれっ?もしかして俺はお邪魔でしたか?」 「なっ、何をいってるんだ君は春野君が私を誘ったんだよ!被害者はこの私だ!!」 笹山部長は捨てゼリフをするとそそくさとその場から立ち去った。 光輝さんは膝から崩れ落ちるように倒れそうになって俺は間一髪で支えることが出来た。 「はぁ〜ッ。心臓が止まるかと思いましたよ。せっかく大切にして来たのにあんなオヤジに喰われないでくださいよ。」 「大切に・・・喰われる?」 「こんな所にキスマークなんか付けやがってあのエロオヤジ!上司じゃなきゃ数発殴ってやりたかった。クソッ!」 あまりにも頭にきてかなりの暴言を吐いていたから光輝さんがビックリした顔をしてる。 俺は会社で猫被っているから暴言なんて人前では吐いたことがない。

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