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一番かわいい子

銀くんのお兄さんだし、もしかしたら銀くんの弱みとか握れるかもだし、もしかしたらこの人の弱みが握れるかもだし… そんな気持ちでこの人に興味が湧いた 「おにーさんさ、銀くんのおにーさんなんでしょ?」 「んーそうだけど…君すごい目の色だね」 「ん、ハーフなの」 「そうなんだ、顔、近いね」 銀くんのお兄さんはあんまり嫌がったり動じたりはしなかった あくまでも冷静で手慣れた感じだった 「ねぇおにーさん?俺と遊ぼうよ?」 「…君はそういう子なの?」 「そうだよ?俺えっちうまいしお兄さんカッコいいから下でもいいよ?顔もそんなに悪くないでしょ?」 「ふふっ、そうだね…今までヤった子の中でだったら二番目ぐらいには可愛い顔してるかもね…」 お兄さんは不敵に笑ってそう言った こういう顔はちょっと銀くんに似てて嫌いじゃないな… でも侵害だな~… 「二番目?悲しいなぁ~」 自身があったんだけどな~ でもお兄さんはその問いには答えずにニコッと笑って俺の手からするっと抜け出して歩き始めた 無視かよ… まだ逃がすつもりはないからついて行くけど… せめて連絡先ぐらい交換しておきたい 「ねぇおにーさん?」 「………」 「おにーさーん?」 「………」 「ねぇねぇ?」 「………」 お兄さんはずっと黙ってたけどしつこくついて行ってたらぴたっと止まってこっちを振り向いた お…やっと相手してくれる気になったか… そう思ったらお兄さんはとんでもないことを口に出した 「銀だよ…」 「……え…?」 「今までシた中で一番かわいかった子」 「………」 ウインクしながら笑顔でお兄さんはそう言った 俺は何も言えなかった クスッとお兄さんが笑ってまた前を向く 「じゃあね?またあったらその時遊ぼうね?」 「………」 また追いかけようとは思えなかった

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