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第13話
「誰に会いたいんですか?」
陽介は、ハッと目を見開いた。
よく知った声音が、聞こえた気がしたからだ。信じられずに固まっていると、もう一度同じ声が、「誰に会いたいんですか?」と問いかけてきた。
ようやく手を退けて、陽介は顔を上げた。
外灯に照らされ、逆光になっているが、誰だがすぐに分かった。
ーーー樹だった。
「…や、…いち?」
「何もそんなに驚かなくても良くないですか?俺がお化けみたいじゃないですか」
声と共に近づいてくる。明かりに照らされて見えた樹は、最後にあった日から、少しだけ大人びていた。服装もシンプルだが、以前のようなパーカーにジーンズよりも少しお洒落になったようだった。
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