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第1話 僕の決意
僕には憧れの人が二人いる。
一人は僕のクラス、二年三組の副担任の雪島克己先生。教えている教科は現代国語。先生の授業は解りやすいと評判だ。
黒板に書かれる文字は綺麗で板書しやすい上に、休憩時間や放課後になると質問に押しかける生徒達への対応も懇切丁寧。忙しい時間をやりくりして、できる限りの事をしてくれる。
授業だけでなく、全国大会出場の経験もある先生がバレー部の顧問として就任してからは、我が校のバレー部は表彰台に上がる機会が格段に増えた。
そんな先生が生徒から好かれているかと言えば、答えは半々……と言ったところか。
歳も近くて、気さくなお兄さんみたいな雰囲気に大多数の女生徒が心を掴まれたわけで、先生に憧れる者もいれば、それをやっかむ男子生徒も当然いる。
僕は将来、教師になりたいと心密かに思っているので先生がモテようがそれはどうでも良くて、先生のように誰かの為に一生懸命になれるような教師になれたら、と思っている。
そんな僕ができる事はただ一つ。
知ってしまった秘密を誰にも漏らさない事。それだけだ。
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