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闇金事務所の慰安旅行-2
開かれたままの襖の合間から和室の明かりが細く差し込む中。
軽い羽毛布団の下で大胆に浴衣を肌蹴させて、両足を開かせ、黒埼は綾人に硬く育ったペニスを行き来させていた。
「ああ……っん、ぁ……早いで、す……黒埼さん……っ」
旅館ならではの雰囲気も手伝い、いつにもまして綾人の体にのめり込んでいた黒埼は、一定の速度で励んでいた律動をふと静めた。
まともな呼吸もできないほどに追い上げられていた綾人は、ふぅっと息を吐き出し、口元を拭った。
「悪いな……勢い余って、つい」
「……最初からこんな風じゃ……私、死んじゃいます」
綾人の首筋や肩先にはすでに唇の痕が刻まれている。
いつの間につけたのだろうと自嘲した黒埼、次はゆっくりを心がけて、動いた。
後孔奥まで挿し貫いていたペニスをずずず……と引き抜いていく。
「あん……」
つい先ほどまで激しく何度も擦り上げられていた肉壁をもったいぶった速度でなぞられて、綾人の腰付近はぶるりと粟立った。
カリ首まで引き抜いたところで、また、ゆっくり奥へ亀頭を押し戻していく。
「あ、あ、だめ……それも死んじゃう……っ」
再び綾人に切なげに言われて黒埼は停止した。
それなら自分の好きなように動けばいいと、速やかに器用に位置を入れ代わる。
羽毛布団がばさりとベッド下に落ちた。
「ほら、佐倉さん?」
騎乗位に移行してベッドに仰臥した黒埼は綾人に強請る。
彼に乗っかった綾人はより肉奥までやってきた昂ぶりについ喉を鳴らした。
胸を反らして黒埼の太腿に両手を添えると、ぎこちないながらも、腰を揺らめかせ始める。
「ん……あ、はぁ……ぁ」
和室の明かりを背中に浴びて自ら動く綾人の姿は。
正直相当クルものがあった。
「や……っ貴方の……大きくなりました……?」
「あんたがエロ過ぎるんだよ」
「や、やめてください……」
「俺の上で腰振っておいて今更純情ぶるな」
「好きで振ってるわけじゃ……」
綾人には無自覚エロなところがある。
彼は黒埼を見つめたまま掠れた吐息に乗せて言うのだ。
「黒埼さんに跨ったら……勝手に腰が揺れるんです……」
それを聞いた黒埼は危うく暴発しそうになった。
耐えるため、ぐっと奥歯を噛み締め、綾人の太腿に指の腹を食い込ませる。
「手伝ってやる」
一呼吸した黒埼は自分のペースに持っていくため掴んだ太腿を浅く揺らした。
奥を一段と摩擦してやる。
「あ……ん」
すでに先走りの雫に塗れていた綾人のペニスがひくついた。
黒埼の肌に滴るほどに零れ出る。
「あ……っすみません……」
「いいって、そのままさ」
もっと汚してみろよ、佐倉さん?
かたちのいい双丘に手を回してぐっと力を込めると真下から深く突き上げる。
綾人は背筋を痙攣させて仰け反った。
入浴していたときよりも全身を火照らせて、微かな悲鳴を滲ませ、なされるがままに揺れた。
「佐倉さん、そのままいっちまえよ……?」
絶頂を狙う黒埼の獰猛な腰遣いに綾人は声も出ないほどに追い立てられて。
黒埼と自身の肌に白濁の飛沫を迸らせた。
「あ……!」
なんとか暴発を免れて一先ず綾人を絶頂へ導いた黒埼は一息つくと。
またもや元の位置にやや強引に戻って最も激しいピストン運動に及んだ。
達したばかりの綾人はひくつくペニスの先から小刻みに白濁を散らしつつ、連続するアクメに陶然と身を委ねた。
「黒埼さん……もっと……」
霞んだ双眸に見つめられていると下半身だけじゃなく心臓の裏側まで燃え上がりそうだ。
その辺のドラッグよりも中毒性が高いな、あんたは。
「明日も明後日も明明後日も楽しみだな、佐倉さん?」
「……七泊八日だなんてやっぱり贅沢です、黒埼さん」
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