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不完全燃焼 01
「......ちっ.......意識飛ばしやがったな」
再び入れる間も無く気絶した後輩。
頬をつついてもピクリともしない様子に
思わず不服の声が洩れた。
......一回しかイってないのに。
それもガン勃ちでお預け。
入れようとしたその瞬間に意識を手放された。
「.....くそっ....つくづく腹立つな.....」
気持ちよさそうに自分のベッドで眠る天宮。
その顔はさっきまでの事など忘れたかのように穏やか。
その様子に再度舌打ちをして仕方なく1人で抜く。
今まで自分の思い通りにいかない相手は居なかった。
いい顔してれば生徒も教師も保護者ですら自分を信頼し、全てが想定通りに動いていた。
なのにだ。
こいつが絡んだ時だけが思い通りにいかない。
中等部に進学し生徒会に入ってから4年間。
天宮を認知してから4年間。
こいつが絡むと全てが想定の180度逆方向へと動いた。
その軌道を修正するために仕掛けた今回のゲーム。
俺の言う事を絶対的なものにすればまだ修正できる。
まだ間に合う。
そう思って仕掛けた。
何が何でもパートナーズ契約を結ぶために。
天宮を思い通りに動かすために。
作戦は成功。
久しぶりに俺の想定通りに事が進んで大満足。
.....のはずだった。
天宮は俺の想定を裏切り、パートナーズ契約で縛ったくらいでは思い通りになんかならなかった。
言う事を聞くのはほんの一部。
以前と変わらず反撥しまくりだった。
その事実に俺の苛立ちは募るばかりだった。
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