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快楽への解放⑧
「継っ、何か…何かクルっ!
怖い…怖いよ…」
「くっ…詩音、大丈夫だ…俺に任せろ。
ヨくしてやるから…いいな?」
みちっ と俺の中の容量が増した。
ひっ
息を飲んだその時、身体がふわりと宙に浮いていた。
抱きかかえられて膝に座らされ、おまけに自分の重みで継を奥まで受け入れていた。
「あああっ」
脳天まで一気にスパークした。
目の前に火花が散って眩暈を起こしそうだ。
足どころか身体がガクガク震えている。
急な動きとそれ以上の快感に息が止まりそうだった。
そんな俺を継は優しく抱きしめて背中を摩ってくれていた。
肌の温もりと継の匂いに包まれて、次第に震えが治まってきた。
俺の中の継は、相変わらずの熱と大きさを保っている…
継がこめかみにキスを落とし、申し訳なさそうに呟く。
「ごめん…無茶し過ぎた…大丈夫か?」
胸に抱かれたまま、拗ねた口調で答えた。
「…ひどいです。継の意地悪。ばか。」
目に涙を一杯溜めて口をへの字にする俺に、継はちゅっと口付けると
「ごめん、ごめんな。
あんまりお前が妖艶でいじらしくて…この体勢で愛したくなって…無体なことしてすまない…
詩音…ごめんな…」
俺を抱えた大型犬は、シュンと項垂れた。
その頭をそっと撫でながら
「継…ヨくしてくれるんですよね?
一杯…愛して…」
「詩音…」
途端に目がキラキラと輝き、甘い匂いを振り撒く継は、俺の腰を掴むと、少しずつ上下に動かし始めた。
「詩音、一緒に動いてごらん。
…うん、そう…上手だ…
前後にも…そう。 」
褒められてうれしくなり、継の言う通りに少しずつ動いてみる。
ごりっ
「あっ」
「ココだな?少し前後にスライドするように…そう、いいとこに当たるはずだ。」
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