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第152話

「しっ」という小さな声が耳元をかすめるのと同時に、大きな手が伸びて口を塞がれた。 数秒ののちにドアの向こうにあった人の気配はなくなり、圭史さんの声が耳のすぐ後ろで聞こえた。 「お前には俺がどう映ってるのか、だいたい想像はつく。けどな、俺は約束は守る。今はお前に手は出さない」

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