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第27話
以前会った時と違う物腰の的場さんに違和感を覚えた僕はカバンを掴むと、
「 ごめんなさい、急いでますから!」
とその場を逃げるように出てきてしまった。
なんだろう、前と違うあの声には覚えがある、どこで? だけど、思い出せない……
そのまま急ぎ足で会社の自動ドアを潜りちょうど扉の閉まる間際のエレベーターに飛び込むように乗った。
「 帷さん、どうしたんですか?」
目の前に僕を見下ろす新谷君の驚いた顔があった。
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