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第1章第22話
「大和訊いてる?」
「え…………」
ボケッとしてた俺は思わず
間抜けな声を出した。
「大丈夫か?」
「はい…………」
ヤバイまた自分の世界に
入っていて訊いてなかった。
しかもいつ楽屋に戻って来たのか
自分でも分らない。
AKIに目をやると
既にメイクを落としていた。
いつの間に────。
「AKIがお昼行こうって!
俺会議で事務所に戻らないとだから
大和君一緒に行ってあげて?」
え…………AKIと2人でランチ?
ちょ、ちょっと待って────。
そんなのいきなり言われても何話せば……。
「じゃあAKI、俺事務所に戻るから」
「はーい」
「じゃあね大和君」
ちょっと────────ちょっと待って!
俺の心の声は勿論届くはずもなく
広瀬さんは楽屋を後にした。
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