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月輪の約束 7

洋を後ろから抱きしめながら窓辺に立ち、鏡に月を映す。 月は厳かに白く静か、そっと鏡の中にやってきた。 「丈…見える?」 「あぁ…不思議な光景だ」 「この鏡の向こうに他の世界があるような…そんな錯覚に陥るよ」 「丈…俺さ…実はお前と付き合いだしてから不思議な夢を見るんだ」 「夢…?どんな?」 「んっ…」 そこまで言って洋は躊躇する。 「どうした?」 「あまりよくない夢だから…目覚めると忘れるようにしている…」 「そうか…私も最近夢を見るな。遠い昔、どこかにいる夢だ」 「遠い昔?」 「あぁ」 「…丈は丈だよな?」 「ん?」 「いや…俺さ、丈と以前逢ったような…そんなデジャブっていうのか?そういう気持ちになることが多くて不思議で」 「そうか…洋、君と私はもしかしたら遠い昔出逢っていたのかもな」 「ふふっ丈って意外とロマンチックだな…」 「そうか…」 「俺の夢は残念ながらあまりよくない気がするから…思い出さない方がいいことってあるよな?」 「…」 洋の見る嫌な夢とはどんな夢だろう。 私と洋の出逢い… 偶然でなく必然だったのではと最近よく思う。 遠い昔、もしかして洋と私は出逢っていた? そんな馬鹿げた話があるのだろうか。 「丈…眠い?今日はもう休もう…鏡のお陰で落ち着いただろう」 嬉しそうに安心したように微笑む洋を見ると、つられて笑ってしまう。 「鏡というか…洋の香りに煽られる」 「なっ!せっかく俺が…真面目に話しているのに!」 途端に赤面して俯く洋の顎を掬い、こちらを向かせる。 窓に洋を押し付けながら躰をぴったりと合わせる。 こちらを見上げる少し怯えた洋の黒い瞳に吸い込まれそうだ。 洋の着ている白いシャツのボタンを上から2つ外し、綺麗な鎖骨を見えるようにする。 洋の喉仏が吐息と共に上下していて、ひどく緊張しているのが伝わってくる。 洋は何度躰を重ねてもいつまでも初々しいままだ。 その首筋をそっと舐めていく。 「っつ」 啄むように、吸うように、唇をゆっくりと這わせていく。 「あっ…んんっ」 小刻みに躰は震え出す洋から、鼻に抜けるような声が小さくあがる。 さらにもう一つ深くボタンを外すと、洋の可愛い薄い桃色の乳首がちらりと見えた。 シャツの隙間から手を忍び込ませ、洋の突起を摘む。 「んんっ!」 指先にキュッと力を込めると、喘ぐような声をあげる洋が可愛い。 「あっ…んっ…丈…駄目だ…カーテン閉めないと…」 はっとした表情で首をふりながら私の拘束から逃げようとするから、力を更に込めて窓に躰を押し付けていく。 「心配するな…誰も見てない」 口づけを深めながら、洋の胸の突起を揉み解していく… 「丈…で、でも…」 「洋、ここは60階。誰にも見えないから安心しろ」 「でも、でも…月が見ている…」 恥ずかしさで頬を赤く染めた洋が、顔を月から背けながら、そう呟いた。

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