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※安志編※ 太陽の欠片 7
summer camp 2
「Ryo着いたよ」
「あぁ……悪い寝てた?」
「少しな」
途中からビリーの彼女のLisaも同乗したので、僕は助手席を譲って後ろの席に移動した。二人きりでなくなりほっとしたのか、その途端眠気に襲われて……どうやら小一時間は寝てしまったようだ。Lisaはチアダンスをやっている胸の大きなセクシーな女の子だ。そんなLisaが寝起きの僕の顔を覗き込み、随分ご機嫌だ。
「あーん~やっぱりRyoって寝顔もとっても可愛いのね! 」
「Risaっその可愛いってやめてくれよ。僕は男だから嬉しくないよ」
「ふふっだってね~ビリー、あのプロムでRyoの女装見ちゃったら誰もがそう思うわよね」
「あぁあれは絶品だった!」
ビリーも後ろを振り向きながらニヤニヤするから、本当に頭にくる。
「もう忘れろ!二人ともそれ以上言ったら、このまま帰るからなっ」
****
summer campのプログラムは1週間だ。到着後すぐに他の六人とも合流し、ホールで説明を受けた。
ハイスクールを卒業したばかりの人を対象とした特別プログラムで、今日から一週間男女別のキャビンに泊まりダイニングホールで食事を共にしていくそうだ。キャンプのアクティビティはとても多様で、ミュージカル、オーケストラ、ダンス、ロックバンド、アート、乗馬、ヨット、水上スキー、水泳、バスケットボール、テニスなど数多くあるのでワクワクしてくる。
ここは施設もかなり充実しているそうだ。
ミュージカルの舞台、オーケストラ場、ピアノ練習室、ダンススタジオ、最新の機種が並ぶフィットネスセンター、体育館、ロックスタジオ、アートセンター、大小のグランド、馬場、プールにプライベートビーチ、四百人を収容するダイニングホール。設備は最高だ。
「すごい! 今迄で一番豪華なキャンプだ。一週間だけなんてもったいないな」
僕は身体を動かすことが大好きで好奇心も旺盛な方なので、昔からsummer campは大好きだ。それにしても今回のような大規模なキャンプは珍しく興奮してしまう。日本に行ったら、もうこのような体験をすることはないだろう。これが最後かも……そう思うと最初は乗り気でなかったが、いろいろ吹っ切れ、このメンバーで思う存分楽しもうと思えてきた。
「俺たちはこのバンガローみたいだ」
「うわぁ……何これ? すごく狭い……」
男四人で一軒のバンガローに泊まることになっていた。入ってみると六畳ほどの一間に二段ベッドがニ台置いてあるだけのログハウスだ。
「施設が豪華なのに、これは狭すぎるなぁ」
思わず苦笑してしまう位、狭かった。
屈強なアメフト部の男たちには、流石に辛いだろう。
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