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番外編SSのおまけ 安志×涼 「そして二人は…」2

        安志さんは、短い間隔で、何度も僕の躰を抱いた。  僕も3週間ぶりだから、深く求めてしまったし、何度もイッてしまった。  時計の針が進むのが、もっと遅ければいいのに。朝までずっと一緒にいられればいいのに。  そんな願いもむなしく、約束の時間が刻一刻と近づいて来ていた。  流石に短時間に喘ぎすぎたせいで、クタクタになってしまった。そんな僕のことを安志さんが抱いて浴室まで連れて行ってくれて、まだ息の整わない躰を優しく洗ってくれた。  そこで、ようやくぼんやりしていた意識が戻って来た。 「涼、無理させたな」 「ん……大丈夫。僕もすごく良かったから」 「そっか。躰は大丈夫か。この後また朝まで撮影だろ。寝かしてやれなくて、ごめん」  髪を乾かしてもらい服を着ていると、安志さんが何処からか大きな包みを持って来た。 「涼、メリークリスマス! 大したものじゃないけれども」 「え! 嬉しい! いいの? 」 「当たり前だ。中身セーターだから、着て帰るといいよ。そのままでは寒そうだ」  ラッピングを急いで解いてみると、中から真っ白なケーブルニットのセーターが出て来た。軽くて肌触りが気持ち良くふかふかで温かい。上質なものだ。 「嬉しいよ。安志さん、ありがとう!」  広げてみるとイタリアブランドのセーターで、すごくカッコイイデザインだ。 「気にいったか。良かったよ。俺はあんまりお洒落なもの知らなくて……随分と悩んでデパートをウロウロしたんだ。でもどうしても誰にも頼らないで俺自身で選びたくて、大丈夫そうか。着られそう? 」 「当たり前だよ。安志さんの選んだものだし、本当にこれ素敵だ! 」  早速Tシャツの上にセーターを着ると、安志さんが嬉しそうに目を細めて見つめてくれていた。なんだかくすぐったい気持ちだ。本当に心の籠った贈り物をもらった。 「安志さんにも僕からのプレゼントがあるんだ」  僕もプレゼントを用意していた。ずっとリュックに入れっぱなしにしておいて、よかった。 「お? うれしいな」 「これ……受け取って欲しくて」 「なんだ?」  ベッドに座りながら安志さんが包みを開けてくれた。気に入ってもらえるかドキドキするな。 「あ……時計だ。これってもしかして」 「うん、あのバス停の広告の?」  安志さんの表情が少し曇ったような気がした。もしかして女の子と並んだあの広告を思い出してしまったのかも……だから、慌てて補足した。 「あの……それは僕とペアなんだ。ほら」  リュックから自分の時計を取り出して見せた。安志さんの方がバンドの長さが長いけれども、全く同じデザインだ。                          

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