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抱かれて迎える朝 1
カーテン越しに眩しい光が届き、目覚めた。
「……眩しい」
いつもと違う部屋の雰囲気とベッド に違和感を覚えながら徐々に頭を覚醒させると、昨夜の情事をまざまざと思い出してしまった。
うわっ!昨夜のことを思い出すと顔が火照る。恥ずかしい。でもこんなにも自分から誰かを欲しいと思ったことがなくて、それが新鮮で深い余韻に浸ってしまった。
「丈……?」
昨日俺を抱いた男の名前を、口に出してみや。だが……返事はない。慌てて周りを見渡すが、ベッドの横はもう冷たくなっていて丈の温もりを感じなかった。
「何処へ?」
急に不安になり探しに行こうと勢いよく立ち上がったのはいいが、途端に下半身にズキッとした痛みが走り思わずしゃがみ込んでしまった。
「うっ……痛い……」
躰を見ると、昨日は確か裸のまま眠ってしまったはずなのに、ちゃんとパジャマを着ていた。汗ばんでいた躰もさっぱりして石鹸の香りが漂っている。
「何で……俺」
トントン
静かなノック音と共に、丈が入って来た。
あぁ……丈だ。背は俺よりずっと高く185cm程あるのか。髪はサラサラの漆黒で彫りが深い顔立ち。引き締まった筋肉 、躰は見た目よりずっと逞しかった。そして綺麗な躰だった 。
男らしい躰なのに、温厚で思慮深い雰囲気で溢れている。優しく見守るような眼差しで俺を見つめ、抱きしめてくれた 。
兄でもなく
上司でもない
俺の大切な人
想い人……
生まれて初めての存在に、胸の奥から甘酸っぱく、くすぐったい気持ちが湧き上がってきた。
「ふっ洋、そんなに見つめてどうした?私にますます惚れたか」
余裕の笑みを見せて、俺の隣に座ってくるのだから酷い奴だ。
「えっ違う!」
恥ずかしい。俺だって男なのに、こんな気持ちで一杯になっていて。慌てて頭をぶんぶん振って否定してしまった。
「昨日はありがとう。躰はきつくないか」
「……それは……腰がかなり痛い」
わざと睨むように見返すと 、困ったような優しい笑顔を浮かべた丈がいた。 この表情……やっぱり以前どこかで……
「そうだよな、きついよな。無理させて悪かった」
そうなんだ。あの後眠りにつこうとしたら後ろからきつく抱きしめられ、その時また丈のが硬さを増してきて、それにつられて俺のまで反応してしまい、もう一度……そしてもう一度、回を重ねるほど痛みよりも快楽が増し、自分でも信じられないほど乱れてしまったのを思い出し、顔から火が出そうだ。
「仕事は休みで良かったな。少し休むといい」
「んっ」
そういって丈は俺の腰に手をやり、優しく撫でるように擦ってくれる。
ビクッ
あっまただ。丈の手が腰に触れ甘く動く度に、俺は反応しないように必死だ。 俺の躰は一体どうしたのか。昨日までの自分とは別人のように過敏になってしまった。
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