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つづき
「ミネさん、提案があります」
「はい、なんでしょうか北川。」
「今年はSABUROの皆で、慰安旅行しませんか?」
「慰安旅行?」
「プチ連休でもいける所に皆で行って息抜きをするのはどうですか?今年が無理でも来年はいきましょう!そのために毎月積み立てをすればよくないですか?3000円ずつでも1年たったら36000円になります。ゴージャス割烹旅館も夢じゃないですよね」
「おおおお!!!」
ミネさんはワシャワシャと僕の頭をグシャグシャにした。タケさんカットが!
「なるほど、そういうご褒美があったら色々頑張れそうじゃないの!俺なんか修学旅行以来何処も行ってないのよ。うわっ!なんかワクワクしてきた。
温泉は絶対サウナ付のところにしちゃおう」
年末以来、ミネさんのマイブームはサウナらしい。僕はサウナより氷点下外気で露天風呂派です。
「誰が一番長く入れるかっていう競争をビールを賭けてするのはどうかな。食事はバイキングじゃなくて勉強できるような料理のほうがいいだろうな。そうなったらオーベルジュでフレンチとか?しかし和食も捨てがたい」
なんでしょう、この子供みたいにキャッキャしているの。可愛いから、僕もつられてニコニコしちゃいます。
「よし、積立プランの回覧をつくって皆に提案だ!ついでに行きたいところのリクエストも募ろう。今年がだめでも来年は絶対どこかに行くことにする。
そうだな、夏は皆でバーベキューくらいしたいよな。おじさんの庭借りればいいか」
「慰安旅行は高村さんも誘いましょうよ」
「う~~ん。ハル?」
「なんですか?」
「そうなるとハル父もセットで来そうな気がするのは俺だけ?」
「はっ!」
「だろ?なんかそうなったら広美さんも誘いたくなるよな。ならハル弟も混じった方がいいかよな」
「ミネさん?」
「あ~まあ~これは可能性の話しってことで。でもアレだ慰安旅行と積立、バーベキューは決定。
それとハルの引っ越しだ。もう来月くらいに越してこい。家賃がもったいない。2ケ月の家賃なんか、アレだろ、3000円積立2年分以上になるだろ?うわ~~もったいない!
ということで引っ越しの荷造り、コツコツするように。あとご両親にも引っ越し時期の通達をすることだな。うし、なんか今年、俺すっげ~~前向きになれそうな気がする。
この気持ちを持続できたらミネベーダ―にもならないで、年末を乗り越えられる気がする!
コーヒーおかわり!」
ビシっと立ち上がって厨房にむかうミネさんはスキップしそうな勢いだ。
僕派はミネさんと一緒に暮らす。
てへへ。
ちょっとくらいニヤけてもいいですよね?
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