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0話:三月

その日、僕はバイト先で喧嘩をしてしまい、むしゃくしゃしながら夜道を歩いて帰っていた。何時もなら真夜中までシフトに入っている為、こんな時間に帰宅する事も無い。だが追い出された今日は帰るしかなく、かと言って真っ直ぐに帰る気にもならずふとコンビニに入りウロウロしていた。不意に本付近でジャージにパーカー、細身の身体を小さくしながら立ち読みをしている少年に目がいった。はっきり言って、この位の時間に彷徨いている年齢には見えない子供だった。警察にでも届けようかと一瞬迷うが相手が気づいた様子は無かった為、そのまま飲み物だけ買い店を出た。そして少し歩いていると、誰かがついてきている気配がした。まだまだ駅前通りなので僕はフッと振り向いてみた。するとそこには先ほどの少年が立っていた。少年は僕と目が合うとニコリと笑い、近くに来た。 そして、言った。 ?「僕を抱いて?今日だけでいいから。 おなかもすいたんだ。」 三月「えっ...!?抱いてって...それに、君、 名前は?家は?いきなり言われても...」 ?「名前?名前は...奏。かなで。家は無いよ。それでイイ?」 どうやらコンビニで見つけた子は家出した子だったようだ。だが、帰る気もなく、そういう生活をしているのかあっけらかんと抱いてくれと言った。僕はそれに寂しさを感じつつ、まぁ1日くらいと思い、うなづいて見せた。そして、言った。 三月「...とりあえず、わかった。今日は泊めてあげる。明日はわかんないけど」 奏「ホント?嬉しいな。お腹すいた。なんか食べよ?おにーさん」 その子は僕の手を嬉しそうに握るとゆっくりと歩き始めた。そして、お腹空いたと繰り返した。僕は仕方ないなと思い、帰ってから何か作ることにしたのだった。

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