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怖い人…?
リビングには作られたご飯がテーブルに既に並べられていた。
あの短時間でなんでこんなに作れたんだ?!まさか、影分身の術とか使えるのか…?
テーブルの上には数種類のおかずが綺麗に並べられていて、料理名が分からないようなオシャレなものもあった。もっと男メシを想像していたのだが、思っていたより龍さんは主夫だったようだ。
龍さんは俺と古谷さんをテーブルに座らせ、炊きたての白飯を目の前に出しながら話し始めた。
「いやぁ、遼が帰ってきてたの知らなかったわ。いつからトレーニング部屋にいたんだよ笑。帰ってきたらとりあえずリビング寄ってって何度も言ってるのに」
「すまんすまん、すぐトレーニングしたくなって。今度からはリビングでトレーニングするわ」
「反省してるんだかしてないんだか…。そうだ和也、このイカつい人とは話した?この人怖そうに見えるけど人見知りしてるだけだから。慣れれば全然だから安心して」
「おい、誰がイカつい人だよ。別に俺は」
「はいはい、そうですね。」
「しばくぞ。」
「きゃ〜、イカついし怖いしヤクザだわ〜。」
目の前で繰り広げられる2人のやり取りを見ていると、一緒に暮らしているだけのことはあると感じた。古谷さんは龍さんを信頼しているのだろうし逆も然りだろう。
俺はこんな関係を築けるのだろうか。少し不安になった。
「古谷さんにはさっき自己紹介をしました。人見知りするタイプには見えなかったです笑。これからよろしくお願いしますね。というかこの料理!!龍さん料理本当にできるのですね、凄い!!!」
「おい、それやめろ」
急に古谷さんが俺に向かって言った。
「それとは?」
「それだよ。」
「どれ?」
なにこのデジャブ。ここは外国人OKのシェアハウスだったっけ?
「和也、さっき俺にやってたよね、料理を作るのは大変じゃないかって俺に聞いた時笑」
龍さんが突っ込む。
え、そうだっけ…外国人は自分自身だったとは…OH MY GOD
「敬語。この家のルール。」
「あ、そうだった。すみません、イカつい人と話すと怖くてつい…笑」
そんな冗談をいいながらも、内心意外だった。古谷さんは年下には敬語を使わせてそうなイメージがあったからだ(偏見)。会社でも部下には厳しく自分には甘く(偏見)、俺のものは俺のもの、のび太のものも俺のもの〜とか言ってそうだし(偏見)。
少しだけ印象が変わったような気がした。
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