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SPECIAL SECRET:煌きの瞬間2

(だけどみんなにいつでもニコニコしていて、ストレスとか溜まらないのかな?)  なーんてことを考えながら、部活のランニングをちゃっかりサボって、目の前で行われているサッカー部の練習試合を、なんとはなしに眺める。時折吹いてくる風は気持ちいいけれど、夏の強い日差しが容赦なく照りつけるせいで、なにもしていなくても額から汗がじわりと滲み出た。  よくあの広いピッチでボールを追いかけて、延々と走り続けることができるよなぁと感心してしまう。ランニング1周2キロを2周で疲れてしまった僕の体力じゃ、サッカーの試合なんて絶対に出ていられない。  額の汗を拭いつつ、応援席の後方から、サッカーの練習試合を立ったまま観戦する。どちらもボールの奪い合いが続き、拮抗しているのがわかった。残り時間もあとわずかで、このままだとPK戦にもつれ込みそうな試合運びに、手に汗を握りしめる。 (焦れば焦るほど、ボールが手に入らないんだよ。しかもシュートする瞬間に奪われたら、すっごくショックだよなぁ)  やや押され気味になっている我が校のサッカー部を心の中で必死に応援すべく、両手を胸の前で組んでしまった。  そんな僕の応援が届いたとは思えないけど、味方にボールが渡って、ピッチの端からロングパスが出された。それをノーマークの選手が、見事キャッチ! (よしっ、そのままドリブルで、敵陣営に突っ込んで行っちゃえ!)  そう思ったのもつかの間、ノーマークの選手にたかって来る敵のかたまり!  絶体絶命のピンチを目の当たりにして、下唇を噛んだときだった。

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