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第63話
「ごめんなさい。連れがいるので」
先生がやんわり断るが、お姉さんたちはグイグイ行く。
一歩も引き下がる気もないな。
そりゃあ、こんなイケメンいたらナンパしたくなるよね、わかるわかる。
心の中でウンウン、と頷いくていると
「茜くん!」
先生に名前を呼ばれた。
うわっ!
お姉さんたちが一斉に俺の方を向いた。 どんな奴か品定めされているみたいでなんか怖かった。
しかし、1人の女性が「可愛い~!」と言うと、みんな一斉に「可愛い~!」と声を上げる。
怖い怖い……!
俺の周りにワラワラと群がって、頭を撫でたり、頬っぺたをツンツンしたり、好き勝手される。
「え、……え、あの……」
「やだー!すごい肌スベっスベ!」
「顔ちっちゃ!」
「髪サラサラいいなー!」
俺ではどうにも出来なくて、先生に目で「助けて」と訴えかけるがニコニコして見ているだけだった。
しかし目が笑っていない。
やばいぞ。
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