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第161話

でもここは温泉でいつ人が来るか分からない。 もし見られたら...と思うとゾッとする。 既に湯船の中だからお湯を汚すわけにもいかない。出ないと...と思うが、身体が動かない。 「ダメだってば!人が来たらどうするの!」 「え?あぁ、人なんて来ないよ。貸し切りにしてるから」 貸し切りなんて聞いてないし、別に貸し切りにしなくてもいいと思う。男同士なんだから、少し恥ずかしいかもしれないけどあまり躊躇いはない。 「だって」とアリスが僕のお尻をスルリと撫でて、にこっと笑う。 「白雪の身体ってエロいじゃん。キスマークだって付いてるし、他の男に見せたくないから」 「キスマークなんてないじゃん」 そう、鏡を見てもどこにもキスマークなんてついていなかった。 首筋に付いてたのも消えたし、前まではお腹にも付けられていたけど最近ではそれもないし。

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